
技術情報
仕様書及び監理指針について
フレキシブルジョイント
国土交通省大臣官房官庁営繕部監修
「公共建築工事標準仕様書」平成31年版
鋼製フランジ付きで、補強材を挿入した合成ゴム製とし充分な可とう性、耐候性、耐熱性及び耐圧強度を有するもので、その全長は次による
- (a) 呼び径40以下は300mm以上とする。
- (b) 呼び径50以下は80以下は500mm以上とする。
- (c) 呼び径100以上は700mm以上とする。
当社適合製品(円筒形)
一般的に水槽廻りなどの耐震対策に用いる変位吸収用の継手を可とう継手と呼びますが、
「機械設備工事共通仕様書」では、平成元年版よりそれまで用いていた「可とう継手」という呼称を「フレキシブルジョイント」と改訂しました。
国土交通省大臣官房官庁営繕部監修
「機械設備工事監理指針」令和元年版
2.2.9 フレキシブルジョイント p.165~170
表2.2.6 管継手の種類
SHSSE-S 008:2008より
種類 | 分類 | 適用液体 | 管接続形式 | 使用温度(℃) | 最高使用圧力(MPa) | 呼び径 | 面間寸法 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
円筒形管継手 | A種 | 冷水 温水 冷却水 熱源水 給水 排水 |
フランジ形 | 0~60 | 0.5※、1又は2 | 20~600 | 50の整数倍 |
B種 | 0~70 | 20~300 | 50の整数倍 | ||||
球形管継手 | B種 | 製造業者規格 | |||||
ベローズ形管継手 | |||||||
フランジ形 ねじ込み形 |
|||||||
0.5MPaは排水系に適合する
表2.2.7 管継手の種類
SHASE-S 008:2008より
分類 | 最大軸直角方向変位量[mm] | 用途 | 目的 |
---|---|---|---|
A種 | 100以上 | 耐震用 | 主に、地震による急激で大きな変位の吸収 |
地盤沈下対応用 | 主に地盤沈下のおそれのある 建物受入れ部における沈下による変位の吸収 |
||
免震用 | 主に、免震建物と地盤との変位の吸収 | ||
B種 | 100未満 | 地震時における 機器及び槽類の保護 |
ポンプなどの機器回り及び 水槽廻りにおける地震に伴う配管の変位や 機器の発停に伴い変位の吸収 |
(C)合成ゴム製(水用)
「標仕」では、水用に対するゴム製の変位吸収管継手として鋼製フランジ付きと規定している。SHASE-S 008:2008(ゴム製変位吸収管継手)の規格では、表2.2.6に示す管継手の種類及び面間寸法とし、表2.2.7に示すように最大軸直角方向変位量の範囲により、A種、B種に分類している。「標仕」では合成ゴム製フレキシブルジョイントの全長については一般的な用途を想定した長さを示している。
なお、飲料水配管に使用するものは、衛生上無害であり、
水質に悪影響を与えないものとする。
残留塩素濃度が高い給水系統に使用する合成ゴム製フレキシブルジョイントの接水側ゴム材料には、
耐塩素性を強化したEPDMを使用するのが望ましい(指針抜粋)
近年、直結給水システム(高残留塩素濃度)が一般的な建築物に採用されると共に、
水道水中の塩素濃度も従来よりも高くなっている。
このため、現在一般的に使用されているNBR、EPDM等の合成ゴムの使用環境は、苛酷になってきている。
ゴムの劣化は、空気中の酸素または流体中の溶存酸素の酸化作用で生じ、この作用は熱及び、残留塩素・銅・マンガン等の塩類により著しく助長される。
この酸化作用により、ゴム表面が脆くなり、水流・振動等によりゴムが剥離する。
〈分類の当社解釈〉
変位量による分類では、100mm以上(A種)と100mm未満(B種)に2種類に分けられ、B種に標準仕様書に適合する短面間製品も 含まれると解釈できなくはないが、用途は「地震時における機器及び槽類の保護」で、目的は「・・・における地震に伴う配管の変位や機器の発停に伴う変位の吸収」で、変位吸収が主用途・目的であることから、常識的に考えておおむね50mm以上※100mm未満がB種に適合する範囲と解釈する。
(HASS 008-1999のA種 A1を引用/HASS=現 SHASE-S)